☆今年はミカンが枯れている blog number. 37

こんにちは、太田勝也です。
今年は、新座市内で柑橘類の葉が枯れているのがとても目立ちます。
私が見たものでは、レモンやウンシュウミカン、ナツミカンの葉は全滅でした。
とくに、植えてから数年しか経っていない苗木はほば枯死している気がします。
何年も前から植わっている木も、葉の色が悪くなっている印象を受けます。
葉が枯れただけで、根元や枝の一部が生きているものもありますが、
見た目からしても、回復できずにそのまま枯れてしまうかもしれません。
ところで、一般的に柑橘類といえばミカン科ミカン属の植物のことを指します。
ミカン属は学名ではCitrus属(シトラス属)と表記されます。
芳香剤などで「シトラスの香り」といえば爽やかなミカン系の香りでお馴染みですよね。
レモンやライム、シークヮーサーもシトラス属の柑橘類です。
さて、一般的にカンキツ類は寒さに弱いといわれています。
比較的寒さに強いといわれている「温州みかん」でさえ、
産地として有名なのは、温暖で地形的な条件の良い沿岸地域です(和歌山、愛媛、静岡など)。
新座市が気候や地形的に柑橘類の生育に最適な地域とはいえません。
しかし、これほど被害がでるくらい今年の冬は寒かったのでしょうか?
簡単ですが、所沢の気象庁のデータを検索してみました。
・まず、2018年の1月の最低気温は-6.4℃。これは2001年1月に最低気温-7.8℃を記録して以来、最も低い数値です。
・今シーズン(冬12月~1月)の平均気温は3.8度、これまでの平均は4.6度なので、平均より0.8℃差がありました。
・さらに、降水量も例年に比べて少ない傾向がみられました。
なので、一応、例年よりは寒かったことだけは、わかりました。
たしかに、体感的にも今年の冬は寒かったのでミカンが枯れてしまうのもわかる気はします。
新座市でミカンを育てるためには防寒対策は必須!ということがいえそうです。
寒さの被害というのはいくつかあって、
冬場の寒風により蒸散が進み、葉が乾燥する「寒風害」や
冬場の寒さで細胞が凍る「凍害」や霜による「早霜害・晩霜害」があります。
※「冷害」という言葉もありますが、これは夏場に低温が続いたときに起こる被害のことなので、ちゃんと使い分ける必要があります!
いずれにしても、植物がいきなり枯れた!という場合は、
何か原因があって、水分の通導がうまくいっていないと思われます。
栄養不足なら葉の変色などの変化が先に現れ、改善すれば元気になります。
害虫により葉が全部食われても、水分と養分の通導機能があれば、新たな葉を作ることができます。
今回のミカンの枯れについては、寒風による乾燥害のような気がするのですが・・・
実際のところ、どうなんでしょう!?
↑ウンシュウミカンの被害
↑ウンシュウミカンの被害
↑ナツミカンの被害
↑ナツミカンの被害
↑ユズの被害
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