No.6 センス・オブ・ワンダー
「センス・オブ・ワンダー」とは「神秘さや不思議さに目を見はる感性」のこと。そして、子どもたちには、このような感性を育む手助けをしてくれる大人が必要なのです。
本書には「沈黙の春」の著者、レイチェル・カーソンの最後のメッセージが込められています。それは、とても一言で表すことはできませんが、私の心に残った一文を引用させてください。
“生まれつきそなわっている子どもの「センス・オブ・ワンダー」をいつも新鮮にたもちつづけるためには、わたしたちの住んでいる世界のよろこび、感激、神秘などを子どもといっしょに再発見し、感動を分かち合ってくれる大人が、すくなくともひとり、そばにいる必要があります”
「センス・オブ・ワンダー」とは「神秘さや不思議さに目を見はる感性」のこと。そして、子どもたちには、このような感性を育む手助けをしてくれる大人が必要なのです。
しかし、すべての大人がレイチェル・カーソンのように自然に対する深い知識や洞察力をもっているわけではありません。幼い子どもに、どのようにして自然を感じとらせたらよいのか、悩んでいる大人もいることでしょう。私もそのひとりです。
レイチェル・カーソンはそのような悩みをもつ大人たちへ、本書を通して考えるヒントを与えてくれます。
私は本書を読んで、子どもと一緒に夜の散歩に出かけるようになりました。ここは住宅街ですが、夜は静かで風の音がよく聞こえます。星もわずかですが見ることができます。
「ただいま!もうごはんは食べたんだね。お風呂の前に、今夜も自然からの贈り物を探しに行ってみようか?」
この本の紹介者: 樹木医 太田勝也