ナラ枯れ(ブナ科樹木萎凋病)
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☆ナラ枯れとは
ナラ枯れの正式名称はブナ科樹木萎凋病といいます。カシノナガキクイムシという虫がナラ類等の樹木(主に樹齢が長い古木)に穿孔し繁殖します。このときに持ち込んだナラ菌(カビの一種)が樹木内部で媒介され、道管が目詰まりし通水障害をおこすためナラ枯れが発生します。
☆カシノナガキクイムシとは
体長4.5~5ミリほどの黒っぽい円柱型の昆虫で、6~7月頃に飛来して樹木に穿孔し産卵します。この時に出されるフラス(木くず)に含まれる集合フェロモンによってカシノナガキクイムシが集まり、木の根元付近に大量なフラスが排出されるようになります。羽化したカシノナガキクイムシの幼虫は、翌年の6~8月頃に成虫となり、新たな樹木を求めて、穿孔した穴から飛び出していきます。
☆ナラ枯れの見分け方
・木の根元に木くず(フラス)が落ちている。
・幹に直径約1.5~2mmの穴がたくさん開いている。
・梅雨明け後から晩夏に急に枯れた。
・葉が赤褐色や茶色に変色し、落葉しない。
☆ナラ枯れの被害が報告されている樹種は以下の通りです。*は常緑樹
・コナラ属
ミズナラ、コナラ、クヌギ、ナラガシワ、カシワ、アベマキ、イチイガシ*、アラカシ*、ハナガガシ*、シラカシ*、ウバメガシ*、ウラジロガシ*、アカガシ*、ツクバネガシ*
・クリ属
クリ
・シイ属
ツブラジイ*、スダジイ*
・マテバシイ属
マテバシイ*
☆当社によるナラ枯れ対策業務の施工事例をまとめました!
①ナラ枯れ防除対策(ビニールシート設置)
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カシナガの穿孔を予防するため、健全木にビニールシート被覆を行います!
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対策マニュアルに従い、地上から5mまでビニールシートを被覆します。
②ナラ枯れ防除対策(被害木の伐採)
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こちらのコナラは、ナラ枯れの被害により残念ならが立ち枯れ状態になってしまい、伐採することになりました。
この木はカシナガ捕獲シート(商品名:カシナガホイホイ)を設置していました。密度が多いところでは10c㎡あたり30頭ほどが捕獲されました。
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枯木伐採のときは、できるだけ周辺の樹木をアンカーとして利用して、慎重に切っていきます。
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伐採作業完了です。
③ナラ枯れ防除対策(伐採後のくん蒸処理)
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伐採した被害木の材にはカシナガが残っています。来年の初夏までに駆除しないと材から脱出して、周囲に被害が広がってしまいます。
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薬剤が浸透しやすいようにチェーンソーで切れ込みを入れます。
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くん蒸処理剤。カシナガに適用登録がある「キルパー40」を使用しました。
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先ほどの材を集積して、薬剤散布。
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くん蒸処理専用シートで被覆します。
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キルパー40には、「くん蒸の期間は14日以上」と書かれていますので、余裕をもって1か月間に設定しました。
③ナラ枯れ防除対策(伐採後の根株処理)
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伐倒後に残された根株にもカシナガが残っている可能性があります。抜根ができない場合は、この根株もくん蒸処理が必要になります。
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チェーンソーで切れ込みを入れ、キルパー40を散布します。
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くん蒸用のシートを被覆してくん蒸処理開始。くん蒸期間終了後にシートを撤去すれば完了です。注意喚起の看板も設置します。
☆各自治体のナラ枯れ情報は以下の通り。(2022年3月22日 確認)
埼玉県HPより 「カシノナガキクイムシ」によるナラ枯れ被害が拡大しています。
→https://www.pref.saitama.lg.jp/a0905/kasnaga.html
新座市HPより「カシノナガキクイムシ」による市内雑木林への被害について