有限会社太田造園

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☆コフキタケのトリセツ  blog number. 35

こんにちは、太田勝也です。

 

今回は、ついに、あのコフキタケの登場です!

知ってる人は知っている。知らない人はもちろん知らない。

 

コフキタケは担子菌類、タマチョレイタケ科マンネンタケ属の菌類で、

形状は半円形、扁平丸山形~馬蹄形で環紋を・・・と言われてもよくわかりませんよね。

簡単にいうと、樹木の幹や根元に発生する茶色いキノコです。

↓こんなやつです。

コフキタケのキノコの形はサルノコシカケ状ですが、サルノコシカケ科ではありません。

キノコの表側が茶色い粉を吹いたようになるのでコフキタケ(コフキサルノコシカケ)と呼ばれています。

 

なぜ、このブログでコフキタケを紹介するのかというと、コフキタケは樹木にとって危険なキノコだからです。

 

人に何かを伝えたいとき、どうやって伝えれば良いのか?それはとても難しい問題です。

なので、今回はコフキタケの特徴をトリセツ風に書いてみました。

 

・コフキタケは木材腐朽菌であり、その中でも腐朽力が強いタイプのキノコです。

・コフキタケは死んだ組織だけではなく、生きた組織にも感染して木材を腐朽させます。

・健康に見える樹木でもコフキタケが発生していたら、内部は腐朽が進行している可能性が高いでしょう。

・内部の腐朽が進行すると、倒木のリスクが高くなります。

・木が倒れると危ないです。人や車が頻繁に通行するような場所では大事故につながります。

・コフキタケの発生⇒木を内部から腐らせる⇒外見からはわからない⇒突然の倒木発生。

 

※注意 樹木の管理者の方はコフキタケを発見したらお近くの樹木医までご相談ください。

 

どうでしょう?コフキタケの危険性が伝わりましたか?

 

あと、コフキタケは多年生のキノコという特徴があります。

多年生ということは、発生したキノコは毎年大きくなります!

↓こんな感じで、色が新鮮な部分は当年、その下は前年まで。

ちなみに、樹木にとって危ないキノコ業界では、ベッコウタケというやつも有名ですが、

こちらは一年生のキノコなので、冬になると消えてしまいます。

いずれにしても、ベッコウタケとコフキタケの2トップは今もなお健在です。

 

さて、西野カナさんは「トリセツ」のなかで“永久保障の私だから~”と歌っていますが、

残念ながら樹木には永久保障はついてないようです。

 

現状、コフキタケに対する絶対的な治療法は確立されていません。

ですが、樹木にコフキタケが発生したからといって、

危ないからすぐに切ってしまうわけではありません。

 

木の内部を調査する方法もあり、倒木のリスクが少ないと判断できれば、

伐採せずに定期的な観察を続けていくことになります。

治療法を確立するために私も頑張らないといけません。

 

人に何かを伝えたいとき、伝えたいことを歌詞に込めるという方法もあります。

それにしても、西野カナさんの「トリセツ」はいい歌詞ですね。

コフキタケに感染してしまった樹木の切ない心境が見事に伝わってきます。

 

“これからもどうぞよろしくね。

こんな私だって笑って許してね。

ずっと大切にしてね。

永久保障の私だから。”

 

違うか!!

 

 

 

 

※このブログは、造園業に馴染みのない一般の方々に、造園や樹木のおもしろさをお伝えしていくことを目的としております。私が造園の仕事や日常生活で発見したこと、考えていることなどを、お気楽な文章で発信していきたいと思います!そして、このブログを読んだ皆様が造園や樹木に興味を持って頂ければとても幸いです。