No.12 環境緑地学入門―理論と実際―
東京農業大学短期大学部環境緑地学科の先生方が書いた、環境緑地学の入門書。なぜ今この本を紹介するのか?それは、もうすぐ環境緑地学科がなくなってしまうからです。
東京農業大学短期大学部環境緑地学科。ここは私の原点となる場所です。
私はこの学科で様々なことを学びました。
環境調査で里山を踏査して報告書を作成したり、
キャンパスの敷地を測量したり、
平面図や鳥瞰図などの図面を書いたり、
仲間たちと公園のデザインコンペに応募したり、
泥だらけになって垣根を作り、飛び石を据えたり、
枝葉を見て、樹木の名前を覚えたり、
昆虫の標本を作ったり、
樹木の診断をしたり、
庭木の剪定をしたり、
刈払機やチェーンソーの講習を受けたり、
里山で田植えをしたり、
環境緑地学科は実習が多く、とにかく様々な経験をさせてくれました。
そんな学科がもうすぐなくなることが決まりまっています。
すでに2017年度は募集を中止しています。
東京農業大学という母校がなくなるわけではありませんが、
在籍していた学科がなくなってしまうのは、なんとも寂しいものです。
この本は内容はもちろんですが、私にとって心の支えにもなってくれています。
仕事で行き詰った時は、この本の背表紙を見るだけでも初心にもどることができます。
環境緑地学入門には、緑地の調査から計画、施工、管理まですべてが含まれています。
あくまで入門書ですが、環境緑地学に興味のある方はぜひ読んでみてください。
そして、東京農大の短期大学には環境緑地学科という学科があったということを、ぜひ知ってほしいのです。
この本の紹介者: 樹木医 太田勝也