有限会社太田造園

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☆穴があったら調べたい~その2  blog number. 34

こんにちは、太田勝也です。

 

今回は、気になる穴シリーズ「穴があったらしらべたい~その2」でいきたいと思います。

ちなみに、前回が気になる方はこちらをどうぞ→☆穴があったら調べたい~その1

 

早速ですが、今回はモミジの幹に大きな穴を調べてみましょう!

まずは、こちらの穴をご覧ください。

 

ピンボケ写真でごめんなさい。撮影場所は埼玉県新座市です。

これはカエデの仲間でノムラモミジという園芸品種の樹木です。

ある日私が気づいたときには、このように穴だらけになっていました。

 

なぜこのような大きな穴があいてしまったのでしょうか??

ここで、私だったら以下のように推理していきます!

 

まずは現場検証ですね!

注目してもらいたいのは、この樹には2種類の穴が開いているところです。

よく見ると、派手に開いた「大きな穴」と

黒い点のような、控え目な「小さな穴」がありますね。

 

まず、ポイントとなるのは「小さな穴」です。

これはきっとテッポウムシがあけた穴でしょう。

 

テッポウムシとは樹に穴をあけて、樹皮の内側を食害する虫のことで、

カミキリムシやガの幼虫などがあてはまります。

専門用語では「穿孔性害虫(せんこうせいがいちゅう)」と呼ばれます。

そして、モミジはテッポウムシの被害を受けやすい樹種として知られています。

 

次に問題になるのは、「大きな穴」です。

人間が理由もなくこのような穴をあけることはまずありません。

また、木材腐朽菌にしては露出した材が新鮮なので不自然です。

やはり小動物の仕業ということになりそうです。

 

木に穴をあける動物は限られますが、その中にテッポウムシを餌にしているやつがいます。

そう!キツツキです!!彼らは木をつつき、穴をあけてテッポウムシを食べるのです。

 

私は新座市内にはコゲラとアオゲラという2種類のキツツキがいることを確認しています。

ちなみに、アオゲラは鳴き声を聞いただけですが・・・

コゲラはスズメと同じくらいの小型のキツツキなので、「大きな穴」を空けるとは考えにくい。

そうなると、犯人は中型のキツツキである「アオゲラ」にたどりつきます。

 

推理の結果、この穴はテッポウムシを食べるためにアオゲラがあけた穴だと考えられます。

以前にも、似たような事件はないかと検索したら、こんな記事がありました。

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14184786404

 

自然界の食う-食われるの関係を「食物連鎖(最近では食物網)」といいます。

自然界の仕組みは面白いなと思いますが、このモミジはなんとも可愛そうな姿になってしまいました。

 

 

※このブログは、造園業に馴染みのない一般の方にむけて、造園や樹木のおもしろさをお伝えしていくことを目的としております。

これからも、私が造園の仕事や日常生活で発見したこと、考えていることなどを、お気軽な文章で発信していきたいと思います!

そして、このブログを読んだ皆様が、いつの間にか造園や樹木のことが好きになり、今まで以上に興味を持って頂ければとても幸いです(^^)